日常の一瞬に溶け込む音は 時を紡ぐ魔法の調べ
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生まれた頃から、私たちは、たくさんの音楽に触れている。
母の歌う子守唄、言葉を覚えるより先に耳にしていた童謡の数々。
音楽は、心にも身体にも、自然に沁みこむ不思議な力。
そして、ラジオやテレビから流れる歌を覚え、歌う。
好きな歌をカセットテープに録音して、レコード、CD、MDと
形を変えて、友達と共有し、語り合ったり、好きなアーティストの
ライブに行ったり、音は人と人をも結びつける。
私は静寂が苦手だ。音がないと、なんだか落ち着かない。
ひとりで家にいる時も、見てもいないのにテレビをつけたり、
CDを流したりして、音に包まれた暮らしを送っている。
『歌』としての音楽は、メロディーと歌詞の相乗効果だろう。
その歌詞が、たまたま自分と重なったりすると、心を動かし
忘れられない音となる。
なにか他のことをしながら、BGMとして聴くには、
歌詞のない音楽、インストルメンタルが心地いい。
私は、詩を書くことを趣味としているが、音楽を聴きながら
パソコンに向かうと、自然と指が動くことが少なくない。
それは、やっぱり歌詞がないほうが、集中しやすくて、
時には、音から言葉が浮かんで詩心が動くときもある。
また、音が魔法をかけて、『集中』という空間を作り、
その中に浸ると雑念が消えて、心のまま、指が動く。
音楽が私を特別な空間に連れて行ってくれるのだ。
また、数年前から、曲先で歌詞を書かせてもらう機会に恵まれた。
作詞に関しては、素人そのものだが、これもまた、その曲の持つ
イメージやパワーが後押ししてくれて、私の中から言葉を引き出し、
紡いだ歌詞が、作品となっていく。
『音』を『楽しむ』と書いて、音楽。
好きな音を、自分なりに楽しんで、これからも共に暮らしていきたい。
思い出の中で、その時の音楽と、その頃の私が、素敵に重なるように。