お酒のせいだと誤魔化した あなたの本音に酔った夜
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物心ついた時から、父はいつも晩酌をしていた。
ウイスキーやブランデーを好み、母が作る酒の肴をつまみながら
台所で食事をする私たちとは別に、一人でリビングでテレビを観ながら
ゆっくりとくつろいでいた。
一家の大黒柱である父の贅沢な時間を、母が認めていたのだろう。
私は、父のそばに寄り添い、酒の肴のお裾分けをもらい、大人になったら、
いつか父と一緒に飲みたいなぁと思っていた。
母は、コップ一杯のビールで頬を染めてしまう程度だったので、
どうやら、私は、父の遺伝子を引き継いだらしい(笑)
ただ、私は『お酒』が好きというよりも、『お酒のある場所』が好きなんだと思う。
その証拠に、家では滅多に飲まない。
『お酒』(アルコール)ではなくて、雰囲気のよいお店や、美味しい肴、
仲間や店員さんとの会話などを楽しみながら、普段とは違う贅沢な時間を
楽しむのが好きなんだと思う。
女である以上、酔っ払って人前で醜態を晒すのだけは避けたいと
どこかで限界を感じる前に、撤退してしまうけれど、普段と同じ量を飲んでも
体調によって、酔い方が違うので、注意しなければいけない(苦笑)
『お酒』は楽しく飲んでこそだ。酔って人に絡むとか、喧嘩をするとか、
嫌な気分になるような『お酒』は、勘弁願いたい(苦笑)
好む『お酒』の種類は、年齢とともに変わってきた。
人数の多い時や、暑い時に、とりあえずビールというのは変わらないが(笑)
飲みやすいからと口にしていたカクテルやサワーから、徐々にワインを嗜んだり、
嗜好が洋食から和食へ移行するにつれ、苦手意識があって飲まなかった焼酎も、
紫蘇焼酎、芋焼酎はいける!と気づき、また、冷酒をいただく機会も増えた。
ちなみに、父の真似をして口にした、ウイスキーやブランデーは、
私にはきつすぎて合わなかった。
こう書くと、かなりの量を飲むように思われるかもしれないが、長い時間をかけて
お喋りしながら、料理を食べながらの数杯なので、それほど酔うわけではない。
親しい人といただく『お酒』は、楽しいのひと言に尽きる。
時には普段面と向かって恥ずかしくて言えない「ありがとう」を伝えられたりもする。
笑顔で共に過ごす、ほろ酔いの時間を、私は大切にしていきたいと思う。